つながりの家

作者:増山 裕介

作品について
現在、東京郊外に似たような形の住宅が多く立ち並んでいる。その中でも団塊の世代の手によって高度経済成長期に建てられたものが多く存在している。しかし、世代交代が上手くできておらず、子世帯が家を出て都内に住み、団塊の世代が一世帯で郊外の住宅に暮らしているという現状がある。このままでは、空き家問題の深刻化、ゴーストタウン化などの問題につながる恐れがある。また、リモートワークの普及により都内在住の人が郊外に移り住もうとする動きがある。
この二つの現状によって団塊の世代とその子世代が再び郊外で同居しようとする動きが予想される。そこで、都心から郊外へ移り住もうとする 子世代と団塊の世代である親世代が一緒に住まう事ができるような住空間をリノベーションし、職住一体型の二世帯住宅を提案する。
この住宅は、両世帯のつながりを意識した住宅である。従来の両世帯を完全に分離するような二世帯住宅ではなく、両世帯の適切な距離感を 考え、緩やかにつながるような住空間を目指した。家族が団欒する空間はつながりを強め、職場や寝室はつながりを弱めるようにデザインした。また、玄関を外に開いた空間にする事で地域の人ともつながる事ができると考えた。このような住宅が増えることによって、二世帯間のつながりが強くなり、活気のある地域になるのではないかと考えた。
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