曖昧

空間における曖昧の七つの型

作者:村上 真那

作品について
世の中には様々な曖昧が存在する。曖昧な気持ち、対人関係の曖昧さ、曖昧な色、曖昧な言葉、その中でも言葉の曖昧性は日常的に使われており、特に日本人は曖昧な言い回しを得意とする文化がある。直接的な表現を避け、考えを読み取り思考し、次の行動へと動いていく。これは多くの人が経験していることだろう。このように思考して行動していくというのは普段の空間の使い方にも関係しており、椅子を使うということであっても、椅子だと思考し行動することで使うことができるのである。その思考が違えば、誰かにとってそれは机になるかもしれない。このような人々の思考・行動により曖昧が発生して空間に広がりが生まれることに面白さを感じ、曖昧で溢れた空間を制作することにした。曖昧な空間を考えるにあたり、曖昧の大きな要素として挙げられる文学の世界に焦点を当てた。文学の世界には曖昧の七つの型という曖昧的表現を七つの種類に分類した試論が存在する。これを空間に応用し、空間における七つの曖昧の型を定義した。そしてそれらの曖昧的要素だけで空間に繋がりを持たせ、公共空間としてアウトプットしたものがこの作品である。
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