Basket Stool 〜ゆらゆら揺れるフルーツバスケットのような木製スツール〜

「背筋のON/OFF」を切り替えながら座ることで姿勢改善を目指す「すわるカタチ」の提案

作者:矢澤 祐帆

作品について
この作品は、外に出る機会が減ってしまった在宅ワーク中の人々に、背筋に意識を向けるきっかけを与えることによって、デスクワーク中の座っている間にヘルスケアができる提案である。リサーチの中でバランスボールで長時間正しい姿勢を保つことはとても難しいことだと感じた。休憩もしつつ座れないかという想いがコンセプトにつながっている。座り方は、主に①まっすぐカッチリモード(背筋ON)、②ゆらゆらフリーモード(背筋OFF)の2パターンある。①の時は、座面に置いてあるクッションを頭の上にのせ落ちないようにして椅子に座り背筋を伸ばす座り方だ。②の時は、クッションは座面に置き自由な姿勢でゆらゆら座ってもらう座り方である。クッションを頭に乗せるアイデアは、モデルさんやフルーツバスケットを頭で運ぶ人々からヒントを得た。少し重くて落ちそうなものを載せていると自然とバランスをとってしまうことを利用し、揺れる椅子と少し重さのあるクッションを掛け合わせ姿勢改善や健康に繋げて行くことを目指している。カラーはフルーツを意識した、アップルレッド、バナナイエロー、ライムグリーンの3色展開となっている。そしてアプリケーションとイス、クッションが連動し、正しい姿勢のキープ出来た時間を日々図ることで少しずつ正しい姿勢に最終的に目指して欲しいと考えている。
コメント

INTERVIEW

Q1.作品のアピールポイントを教えてください。
A.座りながら姿勢改善できることがこの椅子の着目して欲しいところの1つですが、作品の見た目もこだわって作ったことの1つなので、ビジュアルも是非見ていただきたいポイントです。脚の部分となる板の厚みも模型を作ってみて少しずつ厚みを変えながら形を作っていきました。フルーツバスケットの色のイメージで天板そして脚の部分の内側に着色してフルーツの皮と果実を連想させるようなコロコロと可愛らしい見た目になり気に入っております。
Q2.制作の動機は何でしょうか?
A.1年次の感性演習つくるにてグループワークで作ったイス制作が楽しかったからという単純な理由から、私は卒業制作にてイスを作ることを決めました。そしてリサーチをし、その中で荷物を頭に載せて運んでいる方々の姿勢がとてもいいということに気が付き、この頭に載せるものをイスとうまく組み込むことで、姿勢を正すための新しい椅子の提案はできないだろうかということがこの作品を作るきっかけです。
Q3.制作する上で大切にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.制作する上で大切にしていたことは「自分でいい感じと思えるところまでやり切る」ことです。私は過去の演習も「いい感じ」と思えるよう取り組んできました。曖昧な表現ではありますが、どうすれば自分の満足いく作品が作れるのかなどの気を付けるポイントを日々アップデートしていくようこの4年間過ごしてまいりました。卒業制作もこの考えの元、蓄積された知識を活かし愛着のある作品に仕上げることが出来ました。
Q4.コロナ禍の制作は、苦労も多かったと思いますが、工夫して乗り越えた点などあれば教えてください。
A.私は集中力を上げるため基本大学での作業をしていました。家は食べて寝てゆっくりする場所、大学では集中して作業する場所というように環境を変えることで気持ちのオンオフをつけていました。朝から大学に行き大学で制作し、帰ってご飯食べて寝るというルーティンを作ることで早起きの習慣ができ健康的な生活にも結びついて一石二鳥となり良かったです。やはり大学に行くと先生や友人など相談相手がいるという面でも、良かったです。
Q5.後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.第一は自分の興味あることを最後まで貫いた作品をぜひ提案していってください。そしてその作品を完成させるためにはスケージュール管理などをしっかり行ってメリハリを持って4年生の1年間を過ごしてもらえたらと思います。そして何か制作中困りごとが出来たら1人で抱え込まず、先生や友人とコミュニケーションを1回取って見ることで意外と解決したりします。日々の何気ないコミュニケーションも是非大切にしてあげてください。

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