ad libitum
自由な編成で音楽を体験することで、楽器の魅力に出逢えるインタラクティブデバイス
私は、音楽未経験者の間での楽器に対する認知度の低さを感じたことから、音楽経験がなくても気軽に楽しみながら楽器の音色を知ることのできるインタラクティブデバイスを制作しました。ただ音楽を聴くだけではなく、楽器を選んで聴きわけることで、自分だけの「お気に入り」を見つけられるような、新たな音体験作りを目指しました。このデバイスでは、コントローラーのボタンを操作して楽器や楽曲を選択し、好きな楽器の組み合わせによる五重奏アンサンブルを聴くことができます。演奏は全て実際の演奏音が使用されていますが、音だけではなく、演奏映像も同時に楽しむことが可能です。楽曲は、楽器ごとの音がより分かりやすく聞こえ、また様々な編成を組む事のできるフレキシブルアンサンブルを選択しました。1st~5thまでのパートにそれぞれ3種類ずつ楽器が設定されており、楽器の組み合わせは1曲あたり243通りになります。さらに音量もパートごとに調整可能なため、楽器の種類や演奏バランスを含めて自分が1番好きなアンサンブルを探すことができます。このデバイスを通じ、楽器や編成による音の違いを知ることで、楽器そのものを理解するだけでなく、音楽を聴く際に「今の音はあの楽器かも?」と音に対する解像度が高まり、音楽と新しく出逢い直すきっかけにもなり得ると思っています。タイトルの「ad libitum」は音楽用語で「自由に」などの意味があります。