旅する日常
日常の範囲が広がるモビリティステーション
2019年以降、コロナ禍で減少していた外国人観光客数が2023年に入ってから勢いよく増加している。そんな外国人観光客が日本人と関わり合い、共有することで両者にとって日常も街も+に変化するようなものは何か考えたことがこの研究のきっかけである。「旅」とは観光客と現地民の日常をシェアすることでより良いものになるが、渋谷では日本人の日常と混ざることなく乖離しているのが現状である。「旅する日常」というタイトルのもと、渋谷を旅する外国人の日常と日本人の日常が互いに広がり、交わることのできるモビリティスポットの提案をする。
特に渋谷の回遊性の低さと移動手段における混乱の2つが互いの日常が混ざらない原因と考え、モビリティスポットの設置で「行動範囲」と「日常」を拡張、そして充実させることを目標としている。雑居ビル同士の隙間からの日常、立ち食いそばという食の日常をはじめに、工事の足場と坂道を利用したギャラリー、街に溶け込むモビリティ休憩所などをデザインした。新たなスポットができることで日常を旅のように、また旅を日常のように楽しませることを目指している。