雨と人のたまり場
少子高齢化社会における、「菜園」をきっかけにした新しいコミュニティの提案
地域の魅力の発信には観光や特産品に目が行きがちだが、本来一番大切なのは住んでいる人が住んでいる場所を魅力に感じることだ。住んでいる住人同士が信頼し、独自のコミュニティを作ることが大切だが、現状は、核家族や仕事の多様化などにより近隣との接点を見つけることがなかなか難しい。そこで、この研究では私の地元である前土田(岡山県岡山市中区土田)を取り上げ、新しいコミュニティの形を提案した。
18年間住んだ場所でだんだんと交流が希薄になってきている現状に危機感を覚え、その解決として、幅広い年代層が参加しやすい空間を「菜園」を通じて作り、将来的に町内全員が顔見知りのコミュニティにしたいと考えている。前土田地区の空いている土地や使われていない庭を町内で管理、手伝う「前土田菜園」の提案をする。「前土田菜園」は土台作りから始まり、種植え、世話・水やり、収穫、食べる、を1サイクルとして徐々に人が気軽に入りやすい場になっていく仕組みになっている。菜園を起点に世間話やイベント、販売などの活動も行われる。また、菜園をするにあたり水が重要であることから、雨水をためるタンクが町内の至る所に設置されている。このタンクは、雨水をためるだけではなく、コミュニティの生まれる場所としての役割も果たす。
この提案により幅広い年代が気軽に参加し、お互いが信頼し助け合いながら成長していくコミュニティができ、持続可能な地域づくりに貢献したいと考えている。