Port Park
車中心社会における、市民体育館改修をきっかけにした新しい地域コミュニティ形成の提案
車中心社会の地方都市における市街地の衰退についての研究。地域社会や地域資源、人と人の交流を促すための、空間を提案する。
わたしの地元である群馬県太田市における新しい公共空間の提案である。市の人口減少問題、と太田市運動公園内に建つ市民体育館の老朽化、という二つの問題に対し体育館の改修を想定して考えた。
公園には、近隣の学生や住民が練習や運動のために訪れる。また、競技大会が開催される際にはキッチンカーが展開するなど、市内外問わず多くの人が利用する。周辺環境にあわせて「学習室」「市場」というように既存体育館の構造や空間の一部を活用しながら、新しい使われ方を組み込むことで、ここを訪れる人々の多様な目的を受け入れられる半屋外空間を作り出す。
車で目的地までの最短距離の移動は利便性に優れる一方で、少しずつ更新されていく地域の魅力には気づきにくい。この空間を通して、意図していなかった出会いや発見が誘発されることで、新しいコミュニティが生まれると考える。空間同士が視覚的・物理的に連続しているような「仕掛け」を空間に施している。
このデザインにより、公園に訪れた人々を、ひいては太田市における地域コミュニティをつなぎ、持続的に交流の輪を形成するきっかけになることを期待している。