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一年間を通して、私は「数学と映像」というテーマで研究をしてきましたが、この卒業制作では、「黄金比」を扱った映像を作ることにしました。 黄金比というのは、1:1.618033…という数からなる比率のことです。この比率は、渦や人体、植物の種子や葉の配列など自然界にも多く見られ、絵画やデザインなどにも活かされています。さらにこの比率は数学における様々な観点から見ても興味深い性質を持っており、その美しさは理論によっても裏付けられていることがわかります。そのような黄金比の性質を組み込んだモーショングラフィックス作品を制作しました。 この作品では、解説よりも鑑賞者に飽きさせないようにするための演出に力を注ぎました。解説に重心を置くと、どうしても退屈な映像になってしまうことが予想されたので、方向転換して、自分の見たいものを追求することにしたのです。また、卒業制作というのは大学4年間の集大成およびこれからの船出を記念する作品でもあるため、自分の学んできたことや、これからやりたいことを徹底的に盛り込んで制作した結果、このような映像になりました。その他にもワークフローを作るためのスクリプトを自作したりするなど、新たな学びも多く、結果的にとても有意義な制作になったと思います。