南部鐵器 つがれゆくもの
伝統を伝えるためのポスター
岩手県奥州市羽田地域に伝わる奥州南部鉄器を題材にして、伝統を伝えるためのポスター群を作成した。制作の中で、最初に多くのビジュアルを展開し、それを元に現地の方とのコミュニケーションや、南部鉄器に対するアプローチの模索を行なった。 最終的な作品としては、36枚のブックにまとめられたポスター群と、選定した三枚のB1サイズポスターが完成した。これらのポスター一枚一枚が独立したポスターであると同時に、これらのポスター群の全てが南部鉄器を多面的に表すものであり、一つの作品であると考えている。 制作したポスター群には2つのテーマが存在する。一つ目は「手、鉄、炎」であり、生活の中で手から手へと受け継がれ、育まれてゆく南部鉄器の姿を現している。 もう一つのテーマは「つがれゆくもの」であり、湯や思いをつがれ、伝統としてこれからも受けつがれてゆくべき南部鉄器の姿を現している。 これらの制作が南部鉄器を取り巻く問題の解決や伝統としてのあり方の一助となれば幸いであると考えている。