SLEEPING FACTORY

睡眠中の脳の働きを表現したコマ撮りアニメーション

作者:辻 文翔

作品について
「寝るとなんで覚えやすくなるんだろう」と思ったことはありませんか?この作品では睡眠中の脳の働きをいろいろな文房具に喩えて表現しています。文房具がせっせと働く工場で、記憶の持つ感情がむにゅっと整えられ、情報としてパチンとまとめられていく。そんな記憶が定着する工程を一緒に見て行きましょう。
コメント

INTERVIEW

Q1.作品のアピールポイントを教えてください。
A.紙で表現された「記憶」の動きです。表情が無く、アニメーションに制限がある中で、記憶が持つバリエーションを動きで表現すること、工場の中のモノとしての統一感を表現することの両立を行っています。また、それぞれのモノの動きや音にちょっとしたこだわりやリアル感を入れることで、作品に深みが出るようにしています。映像自体の分かりやすさの裏にある、モノたちの細かい動きによる親しみ感も是非楽しんで欲しいです。
Q2.制作の動機は何でしょうか?
A.睡眠について書かれた本を読んだことがきっかけで、睡眠中の脳の働きという目には見えないモノを視覚化できたら面白いのではないかと考えたことです。前期でもコマ撮りを用いて、カメラのシャッターの仕組みを視覚化した映像を制作しており、表現の研究を進めるためにも今回の制作に至りました。世の中で良いとされる映像をひたすら見た時期があり、そこでコマ撮りアニメーションが持つ魅力に惹かれ、時間をかけることができる卒業制作で行いました。
Q3.制作する上で大切にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.作品に対して妥協しないこと、自分が見たときに面白いと感じることを大切にしています。手を動かし、試して、最善を探します。作品の質を上げるためにも、他人に見てもらう事を積極的に行いました。客観的な視点は自分だけだと限界があるので、気づけなかったことを発見でき、クオリティの向上につながります。そして自分が本当に面白いと思うものには、必ず響く人がいると思っています。そのためにも面白さのコアとなる部分を無くさないよう意識しました。
Q4.コロナ禍の制作は、苦労も多かったと思いますが、工夫して乗り越えた点などあれば教えてください。
A.三年次もオンライン授業が主体で、家での制作に慣れていたため、昨年同様の雰囲気で進めることはできました。ただ、他の学生との雑談や、切磋琢磨する環境というのが少なく、そこでのモチベーションの維持に苦労しました。なので、友達とオンラインで話す機会を作り、息抜きを行なっていました。あとは、家だけではやはり辛くなる時もあるので、お気に入りのカフェなど作業ができる場所を見つけ、活用しながら制作に取り組んでいました。
Q5.後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.せっかくなので楽しんで欲しいですが、モチベーションは浮き沈みがあると思うので、参考までに一つ。卒業制作用のノートを作り、それに今日の制作の進捗や調査したこと、面白かったものなどを記録していくと良いです。実際一年間やってみて、自分の思考プロセスや、どれだけやったのかということが目に見え、モチベーションの維持にもつながりました。あと、なんとなくやる気が出ない時は、何か見るだけとかでも良いと思います。きっと作品の糧になるので。

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