日本の大社と御神体について

持ち運び可能な情報手製冊子の提案

作者:向 美樹

作品について
大社や観光案内所に並ぶことを想定し、観光パンフレットと一緒に旅のお供として持ち運んで貰えるよう、大社や御神体などについて書かれた冊子を提案する。
若者層を主なターゲットにしているため、神に対する親しみを持ってもらえるよう御神体をキャラクター化し、プロフィールや神話などを簡潔にまとめた内容を掲載する。
表紙は、大社や御神体に関係した要素をデザインし、それぞれの個性が表紙から伝わるよう心がけた。
受賞理由
若者層を主なターゲットにし、神社に対する親しみを持ってもらえるよう御神体を一体ずつキャラクターのように視覚化し、プロフィールや神話などを簡潔にまとめている点が、単に調べた情報をまとめるだけではなく、自身の創作性と独自性を持つ作品として成立している。また、表紙は、大社や御神体に関係した要素を図案化し、それぞれの大社の個性が表紙から伝わるよう心がけられている。問題提起、調査、試作、フィードバック、制作といった一連のデザインの工程を実現している点や素材、技術、予算、制作時間といった制作における条件などを常に考慮しながら、計画的に進められた点も優れていた。在宅学習の中、高いモチベーションを継続し、完成させることができたことも作者としての責任感が高く、評価できる。
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INTERVIEW

受賞者の方に、インタビューしました!

Q1.あなたの作品のアピールポイントを教えてください。
A.全国24箇所にある大社と、そこに祀られている御神体との関係性や情報を、様々な文献から集め簡潔にまとめた全4ページ構成の手製本になります。御神体は神話を元にキャラクター化し、神話や大社の名所などの情報もイラストを用いながら記載しています。表紙には各大社の個性を表現するため、神話や御神体にちなんだデザインをそれぞれ施しています。
Q2.卒業制作の動機は何でしょうか?
A.大学一年生の時、課題制作として「地元の良さをアピールする」というテーマのグラフィック作品を制作しました。私の地元では観光名所となっている大きな大社があり、そこに祀られる御神体についての伝説を取り上げました。神話や歴史が好きだったため、全国各地にある大社にはどのような神様が祀られ、どのような伝説が伝わっているのか興味があり、調べてみようと思ったことがきっかけです。

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Q3.あなたがクリエイティブで大事にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.制作する上で大切にしているのは「色使い」です。色によって与える印象が大きく左右されるため、トーン選びは特に重要視しています。今回の制作では日本神話をテーマにしているため、そのイメージを崩さないよう色選びに吟味を重ねました。また、複数のキャラをデザインしたため、それぞれのキャラに用いた色のトーンは勿論、配色が偏らないよう工夫しました。
Q4.今年は、オンライン授業に切り替わり、これまでの環境とは大きく異なる中での卒業制作でした。制作で苦労したことや、取り組み方などを教えてください。
A.外出自粛状況下だったため、現地調査や材料集めなどの行動が制限される事に苦労しました。また、先生や友人と直接意見交換をするという機会がなくなるため、辛い時期もありました。特に私の作品は手製で、直接作品を見て貰えず「この作品は大丈夫だろうか」と不安になることもありました。その分自分で何度もブラッシュアップを重ね、直せるところがないか客観視して作品を見るように努めました。
Q5.今後の後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.研究テーマを決める上で、自分の得意分野や好きなことが活かせるテーマを選ぶこともひとつの選択肢だと思います。制作期間は長く、完成させるまで自分との戦いになると思います。作業にかける時間が長いほど作品の完成度が上がり、その差は顕著に出るかと思います。自分の好きや得意を原動力にし、最後には「やりきった」といえる卒業研究が出来るように頑張ってください。

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