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手持ち花火文化の継承と提案

作者:仲野 雄貴

作品について
架空の花火ショップの提案。現在、衰退しつつある手持ち花火文化に着目した。日本の手持ち花火が本来もつ落ち着きのある美しさや風情を活かしつつ、新しい視点から手持ち花火を捉え、固定観念を振り払うことで、夏の風物詩としての花火に留まらない様々な場面での手持ち花火の活躍の場や楽しみ方を提案した。ブランディングやグラフィックを用いて、手持ち花火の魅力と可能性を後世に伝えていきたい。
受賞理由
ブランディングのコアとなる、手持ち花火の利用シーンを描いた6種のグラフィックデザインが特に素晴らしい。花火らしい華やかさ、大胆な構成とテクスチャの妙、そして、新しさの中にある確かな和、という点において優れているビジュアルとなっている。また、お花見と花火、日の出と花火、紅葉と花火、雪景色と花火、旅と花火、贈り物と花火、という提案する6つの利用シーン自体も魅力的で面白く、手持ち花火という1つの日本文化の魅力や可能性を積極的に探求した結果として行き着いた素晴らしい作品と言える。以上のことから、この作品は奨励賞として相応しい作品であると考える。
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INTERVIEW

受賞者の方に、インタビューしました!

Q1.あなたの作品のアピールポイントを教えてください。
A.「手持ち花火文化の継承と提案」をコンセプトに、手持ち花火本来の美しさや品は残しつつ、既存の花火の楽しみ方とは少し違った美しさや活用場面を提案してみました。 パッケージなどのデザイン面では、従来の花火よりもカジュアル感や親しみをもたせ、現代らしい新鮮さを取り入れています。
Q2.卒業制作の動機は何でしょうか?
A.昔から子供らしい遊びが大好きで、手持ち花火もそのうちの一つでした。子供の頃はよく家の近くの空き地で友人や家族と花火を楽しんでいたのですが、今ではその空き地も大きなショッピングモールが建ってしまい昔のように花火を楽しむことはできません。そんな楽しかった花火の思い出から、これから都市化の進んでいく社会では手持ち花火をどう楽しんでいけるのか、まだ新しい活用法があるのではないかと考えたのがキッカケでした。

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Q3.あなたがクリエイティブで大事にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.「くだらないに全力」をモットーにしています。 何かを作ったり企画したりするとき、アイデアの根底にある物はとても些細なことであったり、くだらないものだったりします。しかし、そこに面白さや斬新な発見があると私は信じています。そのため、どんなにくだらないものだったり些細なことであったりしても、一度踏みとどまって多角的に観察してみることを大事にし、制作活動をしています。
Q4.今年は、オンライン授業に切り替わり、これまでの環境とは大きく異なる中での卒業制作でした。制作で苦労したことや、取り組み方などを教えてください。
A.今年度は外に出づらい環境下で、なかなか思うように制作が進まず大変な制作でした。しかし、しっかりと配慮さえすれば例年と変わらない制作活動も可能であると感じました。そのため大切にすべきなのはスケジュールの管理だと思います。なるべく早め早めのリサーチ、行動を意識し、計画的に制作できれば思い通りの卒業制作ができるのではないかと思います。
Q5.今後の後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.自分のやりたいこと、興味のあることをテーマにできるといいのではないかと思います。 一年間向き合っていかなければならないものなので、あまり興味のないものを選んでも続けるのが大変ですし、好きなものに熱意を持って取り組んだ方が良いものができます。ですので、テーマ選びに迷ってしまったときは、自分の好きなことを振り返ってみるのがいいかもしれません!

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