pattern of CHECK

格子柄の魅力をサイネージで伝える

作者:小原 真紀

作品について
本作品は格子柄の持つ特性をインフォモーションを用いた映像で伝え、格子柄の服飾的価値を高めることを目的とした作品である。格子柄にはパターンがあり、ファッションアイテムをはじめとして布・織物に取り入れられている。また、20種類以上あるパターンは発祥や由来が異なり、それに併せて季節の着こなし方が存在する。それらの情報をビンテージコンセプトのグラフィックとモーション技法で簡潔かつ魅力的に紹介していく。
受賞理由
本作は格子柄の魅力を20代の若者へ発信するためのデジタルサイネージ用コンテンツとして制作されている。作者が事前に行った調査では、日本の若者の格子柄離れが浮き彫りとなった。この問題に対して「四季に合わせたコーディネート」を切り口にデザインを通じて明快な答えを出せた事が高く評価された。また、在宅学習の中、高い意欲と継続力で研究に取り組み、ターゲットのみならず、多くの人の共感を得る豊かな作品に仕上げた点も評価したい。
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INTERVIEW

受賞者の方に、インタビューしました!

Q1.あなたの作品のアピールポイントを教えてください。
A.格子柄の魅力を映像で明解に伝えました。オリジナルデザインの格子とヴィンテージコンセプトのイラストレーションが見所です。格子柄はパターンや素材、配色などに特性があるため、それぞれに合った季節も違います。今回は四季ごとに4種の格子柄を取り上げ、実際によく着られているファッションアイテムとして紹介しました。格子柄に対して知見のない方も、映像を通して楽しく見られます。
Q2.卒業制作の動機は何でしょうか?
A.卒業制作では好きなことを題材にしたいという思いがあり、一番はじめに思いついたのが“格子柄”でした。私は普段から格子柄の服を好んで身につけるのですが、「チェック柄ってなんかダサい」「合わせづらいし、着こなせない」などのネガティブな声も耳にします。こうしたイメージを持つ若年層に向けて、“能動的に格子柄を手に取り、お洒落を磨くアクセントにして欲しい”そんな思いを込めて制作を行いました。

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Q3.あなたがクリエイティブで大事にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.作品を通して、受け手を感動させることを大切にしています。そのため制作では、提案の幅を狭めず、様々な展開での試行錯誤を重ねました。特に力を入れたのは絵コンテの提案です。映像を最後まで飽きずに見せるため、何度も修正を繰り返しました。制作では、「格子の組み方」をどう見せたら綺麗で簡潔か、モーションを何通りも試作しました。
Q4.今年は、オンライン授業に切り替わり、これまでの環境とは大きく異なる中での卒業制作でした。制作で苦労したことや、取り組み方などを教えてください。
A.対面での相談やプレゼンテーションができないという状況下で、良いものを作っていけるのか?という不安に悩まされました。そんな中で、担当教員の中島先生にたくさん助けていただいたことが支えになったと感じます。先生は、オンラインでも真摯に相談してくださり、ゼミ内での学生同士での情報共有の場を多く作ってくださりました。そのおかげで最後まで制作を順調に進められ、作品を磨いていけたと思います。
Q5.今後の後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.皆さんには、自分の得意とする、または興味のある分野・表現技術があると思います。私は、卒業制作でインフォモーションを作りたいと三年生の時から考えていました。そのように、得意・興味が存分に発揮される研究題材を選んで制作に取り組んで欲しいです。そうすればきっと、制作していく楽しさと作品の完成度が比例し高めあって、大学4年生の素晴らしい集大成になると思います。

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