細長い自分

作者:小笠原 優輝

作品について
他人から羨ましいと言われる細く身長が高い体型が私にとってはコンプレックスだった。
この体型によって起きたエピソードについて自分を棒に見立て幾何学のグラフィックで作ったアニメーション作品である。
この作品が体型のコンプレックスに対しての向き合い方を見直し、笑い話に変えられるようなきっかけになってほしい。
受賞理由
自分自身の細長い体型を「棒」で表し、「高所にあるものを取らされる=マジックハンド」「待ち合わせに使われる=スカイツリー」など、自らの個性を巧みにビジュアル化した。本人による語りとシンプルなアニメーションの組み合わせにより、簡潔ながら視聴者の想像力を喚起する表現になっており、映像デザインとして優れている。また、自らのコンプレックスを、ユーモアを交えてポジティブに捉えるメッセージ性も評価された。
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INTERVIEW

受賞者の方に、インタビューしました!

Q1.あなたの作品のアピールポイントを教えてください。
A.棒を利用した例え、ツッコミ及びストーリーのつながり。他人が羨ましいと思えるようなエピソードを出し、それに近しい、自分が嫌だった点をつなげることで対比ができる。そしてツッコミなどを入れることで、少しでも見やすい様な雰囲気作りが出来ていると思う。他人ではわかりにくい出来事だからこそ、要点を絞り分かりやすく伝わるように作っていった。
Q2.卒業制作の動機は何でしょうか?
A.他人からよく見えても本人からすればコンプレックス。コンプレックスであっても、笑い話にできるきっかけとなる作品を作ろうと思ったことが動機。自分の身体が棒のような点に着目し、棒を使った幾何学アニメーションを作ることにした。笑い話に変わるだけでも、いくらか気は楽になるようなことを伝えたかった。

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Q3.あなたがクリエイティブで大事にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.等身大の自分で考える。自分の持ちうる技術で出来る範囲に、どのようにもちこむかを考えている。技術や知識に見合った範囲に持ち込み、形にすることで、ムリせず楽しく制作に打ち込むことができる。今回はストーリー性を意識していたため、読んだ本の流れやバラエティー番組の芸人さんのツッコミなどを参考にして、できる範囲に持ち込んだ。
Q4.今年は、オンライン授業に切り替わり、これまでの環境とは大きく異なる中での卒業制作でした。制作で苦労したことや、取り組み方などを教えてください。
A.一人になる時間が多かったため、学校で作品の話しなどが出来なかった点。他人の作品の良い点を取り込んだり、自分の作品の悪い点を見直したりと、ああいった時間が自分を成長させる貴重な時間であったことに気づかされた。制作をする時間には友人と連絡を取り、画面共有などで互いの作品をどうすればよいかなどを話し合うようにした。
Q5.今後の後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.一人で作品を作ろうとしない。一人で考えていても構想などが凝り固まり発展しない。自粛で人と会う機会は減っているだろうが、電話やメールなどで友人や先生とコミュニケーションをとり、自分の作品を見直していくことは間違いなく重要だったと思う。つらい時期だからこそ、一人で抱え込まず助け合いながら作ることを忘れないでほしい。

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