PIECES OF PAPER

作者:清水 剣都

作品について
慣用句やことわざのコマ撮りアニメーション。ストーリーを通し、複数の言葉をひとかたまりで覚えることを目的としています。映像内で不格好ながら必死に動く紙切れたち。見た人々が言葉を覚えるだけでなく、彼らを応援したくなったり、自己投影してしまうような愛らしく生き物らしい動きを意識して制作に取り組みました。
受賞理由
ビジュアルと動きによって慣用句をわかりやすく伝える「国語教育アニメーション」となっている。繊細な文字組みや配色など、画面構成も優れている。また、集団の中で没個性的だった紙切れたちが、次第にそれぞれの色を獲得して困難を乗り越えるストーリー構成と、ストップモーションの緩急ある動きにより、紙切れたちはこれから社会へ出ていく学生たちのようにも思えてくる。単なる教育アニメーションではなく、そうした視聴者の感情移入を促す点も評価された。
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INTERVIEW

受賞者の方に、インタビューしました!

Q1.あなたの作品のアピールポイントを教えてください。
A.紙切れたちの動きです。この作品では、人に見立てた紙切れたちを用いて、慣用句やことわざを具現化しています。紙の動きから感情や想いが伝わる様に、細かい動きや愛らしく生き物らしい動きを意識して制作しました。最低限の動きしかできない紙切れたちの不格好ながら必死に動く様子は、見ている方々の様々な感情をくすぐると思います。
Q2.卒業制作の動機は何でしょうか?
A.紙切れを用いて言葉を視覚化させたいと思ったことです。他の制作で紙を破っていた際、被った紙切れのとんがっていたり、波打っていたりする個性的な形が、まるで私たち人間を表している様に思いました。
その時、紙切れでことわざなどを表現することで、より人間味の溢れる愛らしい表現になるのではないかと思い、今回の制作に至りました。

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Q3.あなたがクリエイティブで大事にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.私がクリエイティブで大事にしていることは、余白や間の使い方です。余白や間を効果的に作ることは、受け手が窮屈で苦しくならずに楽しんだり、思考をしたりする余裕を与えることにつながると考えています。
今回の作品では、画面内の情報を極限まで少なくし、それぞれの動きや画面の切り替わりでタメや間を作ることで、観る方が心地よく視聴できる様に心がけ制作しました。
Q4.今年は、オンライン授業に切り替わり、これまでの環境とは大きく異なる中での卒業制作でした。制作で苦労したことや、取り組み方などを教えてください。
A.私がこの環境下での制作で苦労したことは、モチベーションの維持です。今まで学校や家などで誰かとコミュニケーションを取りながら制作していた中で、急に毎日一人で制作に向き合う中でのモチベーションの維持は大変でした。夜遅くまでダラダラやるのではなくて時間を決めて取り組むことでモチベーションの維持にもつながりました。
Q5.今後の後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.卒業制作は、多くの時間を使って自分の好きなことをできる、最後の機会だと思います。周りの目を気にせず、自分が本当にやりたいことをしてください。就活と重なったりして、気持ち的にも辛くなる事があると思います。そんな時に、卒業制作が心の負担ではなく心の支えになれる様に、今から自分自身が本当に楽しいと思えることを探してください。

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