オクリガチ。

漢字の送り仮名を学べる知育玩具

作者:湯澤 響

作品について
近年、パソコンやスマートフォンの変換機能に頼りすぎて漢字を正しく使えない人が増えてきています。その中でも特に私は送り仮名に着目しました。送り仮名は大人になっても忘れたり、わからなかったりすることが多いと思います。そこで、これから漢字を学んでいく子どもと、一緒に遊んであげる大人が楽しく遊びながら学べるような対戦型の知育玩具を提案します。この作品は手持ちの駒を1個ずつ入れ替えて、適切な漢字と送り仮名のペアを先に4組完成させた方が勝利となる知育玩具です。コンセプトは大人も子どもも楽しめる知育玩具。子どもがこの知育玩具をやると、直感や自由な発想で進めていくと思います。それに対し大人は、自分の持ち駒のペアとなる駒が、まだ中央の山の中にあるのか?相手が持っているのか?すでに捨てられているのか?相手がリーチしている場合お互いの捨て駒を見て、アガりの駒は何なのか?など、色々なことを考えながら進めていくと思います。そのため、子どもが漢字を学べることはもちろん、大人同士でやってもより深い楽しみ方ができると思います。知育玩具と言えば、大人が一緒に遊んだとしても子どものレベルに合わせることがほとんどだと思います。しかし、この作品は大人も一緒になって楽しむことができるので是非幅広い年代の方に遊んでもらいたいです。
受賞理由
ユーザーの立場になって学習効果のある遊びを実現した玩具を、高い完成度で提案できた点が特に優れている。プロトタイプの制作を繰り返し、素材、大きさ、色、形などの細かい部分にまで修正を重ねながら魅力的なデザインに仕上がっている。さらに遊びのルールにおいていくつものパターンを考えながら、実際にテストを重ね、入り口は簡単であるが、結果的には大人も楽しめるだけの手強い要素もあるものとなった。現在は小学生1年生で学習する漢字を対象としたコマの構成になっているが、さらに上の学年のセットなども考えられ、発展性のある提案となっている。
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INTERVIEW

受賞者の方に、インタビューしました!

Q1.あなたの作品のアピールポイントを教えてください。
A.大人と子どもの両方が楽しめるところです。小学1年生の漢字を扱っているゲームなので、7歳以上の子どもが漢字と送り仮名の組み合わせを考えるだけで楽しめるゲームになっています。さらに、大人がこのゲームをやると色々なことを考えて遊ぶことになります。自分の持ち駒の何を持っておくべきか。お互いの捨て駒を見て相手の持ち駒を予想するなど、考えれば考えるほど面白いゲームです。
Q2.卒業制作の動機は何でしょうか?
A.私は勉強がそこまで好きではありませんでしたが、漢字を書くことは好きでした。そんな私が最近気になっていたのが「送り仮名」です。送り仮名は大人でも忘れていたり、間違えていたりすることがあります。それはパソコンやスマートフォンの変換機能に頼りすぎていることが原因だと考えました。そこで私は、これから学んでいく小学生が送り仮名を正しく使えるような大人になってほしいと思い、この作品を作ろうと考えました。

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Q3.あなたがクリエイティブで大事にしていることはありますか?また、それを制作にどう活かしましたか?
A.私が大事にしているのは腹を括ることです。私はいつも極限まで考えてこれ以上考えられなくなったら、自分が出したアイデアの中から個人的に好みのものに決めて腹を括ります。たとえそれを進めて壁にぶち当たっても、好きならもっと良くしようとアイデアも制作意欲も湧くと思います。今回の卒業制作でもどの案で進めていこうか悩みましたが、最終的には自分が個人的に好きなアイデアに決めて腹を括りました。
Q4.今年は、オンライン授業に切り替わり、これまでの環境とは大きく異なる中での卒業制作でした。制作で苦労したことや、取り組み方などを教えてください。
A.最初は、周りがどれだけ卒業制作をやっているのか分からなくて不安でした。しかし、ゼミの先生がpinterest を使って現状報告をするような場を設けてくれたり、平日は友人が一緒に学校で作業してくれたので、周りの人たちに助けられながらですが、あまり不自由なく取り組むことができました。また同級生と会えない分、特に同じゼミの人とは情報共有を頻繁にしたことで、スムーズに作業できたと思います。
Q5.今後の後輩たちに向けて、卒業制作を行う上でのアドバイスがあれば教えてください。
A.卒業制作は大学4年間の集大成とも言えます。しかし、最後だからすごいものを作ろうと意気込みすぎずに、自分の好きなことや興味あることから構想に入っていくのも良いと思います。身の周りの問題解決をしても、好きなモノやコトをさらに面白くしたいという妄想から入っても、きっかけは自由でいいと思います。自分の興味があることをやらないと、最後までモチベーションが続かないと私は思うので、是非参考にしてみてください。

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